40を過ぎたあたりから、
なんとなく人生の“後半戦”が始まった気がしている。
再雇用の話を聞くたびに、
「もう、そこまでして働かなくてもいいだろ」と思ってしまう。
老後のモチベーションってなんだろう。
年金も微妙、貯金も不安。
だから働けるだけ働く、というのが正解なのかもしれない。
でも、それを正しいと思うことが、なんだか少し悲しい。
職場には、再雇用で戻ってきた人もいる。
たいていは昭和の感覚で、価値観を押しつけてくる。
「自分たちのやり方が正しい」と信じていて、
でも現場の流れをまったく理解していない。
引退って、
「そっと引く」って意味じゃなかったっけ。
なのに「口を出すために残る」ような人たちが多すぎる。
そんなふうにはなりたくない。
自分が老いたときは、老兵は黙って立ち去る側でありたい。
別に何かをやり遂げなくてもいい。
残さなくてもいい。
ただ、単純な仕事をして、
空気のように存在して、静かにいなくなれたらそれでいい。
モチベーションなんてものに縛られず、
自分のペースで、静かに働いて、静かに終わりたい。
──副業向いてない男